陸屋根とは、傾斜のない平らな屋根のことをいいます。
平らな陸屋根は、家庭菜園を楽しんだり、太陽光発電システムを設置したりなど、バルコニー代わりのスペースとしてさまざまな用途に活用できます。
三角屋根や傾斜のある屋根は、雨などが降っても下に流れていきますが、平らな陸屋根は水はけが悪いため雨水が溜まりやすくなります。
雨水に晒されている時間が長いため、雨漏りしやすくなります。
ここでは、雨漏りの発生原因や雨漏りを防ぐ方法などをご紹介します。
陸屋根が雨漏りしやすい理由とは?
陸屋根が雨漏りしやすい理由として、屋根がフラットな形状である点があげられます。
一般的な三角屋根は勾配があるため雨水が流れやすいのですが、陸屋根はフラットな形状のため雨水が溜まりやすくなります。
陸屋根にも雨水を流すための勾配はありますが、三角屋根に比べると水はけが悪いため、雨漏りしやすくなります。
陸屋根の雨漏りが起こる原因
陸屋根の雨漏りが起こる原因は、主に以下の3つです。
- 排水口の詰まり
- 防水層の劣化・破損
- 壁面の劣化や破損
排水口の詰まり
排水口の詰まりは、陸屋根の雨漏りが起こる原因の一つです。
陸屋根には雨水を流すための排水口が設置されています。
排水口は雨水を集めて排出する重要な部分です。
排水口に落ち葉やゴミ、土などが詰まってしまうと、雨水の排出ができなくなり陸屋根に雨水が溜まってしまいます。
陸屋根に雨水が長時間溜まってしまうと、雨漏りが起こる原因になります。
雨水をきちんと排出するためにも、排水口を定期的に掃除し詰まりを解消しましょう。
防水層の劣化・破損
陸屋根の雨漏りは、防水層の劣化や破損が原因で起こることがあります。
陸屋根には雨漏りを防ぐために防水層が施工されていますが、その防水層が紫外線や雨風の影響で劣化したり破損したりすると、防水機能が低下してしまうため雨漏りが起こります。
定期的に防水層の状態を点検し、必要に応じてメンテナンスを行う必要があります。
パラペットや笠木の劣化や破損
パラペットや笠木の劣化や破損が原因で雨漏りが起こることがあります。
パラペットとは、陸屋根の外周部に設置されている低い壁のことです。
パラペットや笠木に劣化や破損があると、雨水が建物内部に侵入してしまいます。
陸屋根のパラペットや笠木も定期的な点検とメンテナンスが必要です。
陸屋根に必要な防水工事の種類
陸屋根は水はけが悪く雨水が溜まりやすいため、防水工事が必要です。
防水工事には代表的なものが4種類あります。
- ウレタン防水
- シート防水
- FRP防水
- アスファルト防水
陸屋根に施工する防水工事のメリットや・メリットなどそれぞれの特徴をご紹介します。
ウレタン防水
ウレタン防水は、ウレタン樹脂を塗り広げて防水層を作る工事です。
使用するウレタン防水材のグレードによって費用が変わります。
ウレタン防水のメリットは、複雑な形状の場所でも施工できて安価な点です。
デメリットとしては、乾燥時間がかかるため工期も長くなる点です。
塗膜を塗布する工法なので、3度以上の重ね塗りが必要になります。
工程ごとにしっかり乾燥させる必要があるため、工期も長くなります。
耐用年数 | 10年~12年程度 |
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費用相場 | 6,000円~12,000円/㎡ |
シート防水
シート防水は、塩化ビニール製やゴム製の防水シートを施工箇所に貼り付ける工法です。
接着剤を使用して貼り付ける接着工法とアンカーなどで固定する機械的固定工法の2種類の施工方法があります。
シート防水のメリットは、シートを貼り付けていく工法なので、短期間での施工が可能な点です。
デメリットとしては、場所によって施工が難しく、凸凹している場所や障害物のある陸屋根への施工は不向きと言えます。
耐用年数 | 10年~15年程度 |
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費用相場 | 8,000円~15,000円/㎡ |
FRP防水
FRP防水は、ガラス繊維製のシートを敷き、その上にポリエステル樹脂を塗布して硬化させる工法です。
防水性の高い素材で、お風呂の浴槽や船舶にも使われています。
FRP防水のメリットは、軽量な防水層のため建物への負担が少ない点です。
ポリエステル状の防水材で非常に強度が高く、屋上駐車場にも使用されています。
デメリットとしては、非常に硬い防水層であるため、伸縮しにくく揺れなどの影響を受け、表面が割れやすいという点があげられます。
耐用年数 | 10年~12年程度 |
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費用相場 | 6,000円~10,000円/㎡程度 |
アスファルト防水
アスファルト防水は、シートや液状に溶かしたアスファルトを使用して防水層をつくる工法です。
防水性や耐久性に優れていて、往来から広く使われてきた防水工事の工法です。
メリットは、防水性や耐久性が高いことです。
原料がアスファルトのため、多少の雨風で腐食することはなく、メンテナンスの回数も少なくすみます。
デメリットとしては、重量があるので建物の耐荷重を要する点です。
建物への負担を避けたい陸屋根への施工には向いていません。
アスファルト防水には、3つの工法があります。
- 常温工法
- トーチ工法
- 熱工法
常温工法
ゴムアスファルトの粘着層をコーティングしたルーフィングシートを複数枚交互に貼り合わせていく工法です。
メリットとしては、常温工法は火を使用しないため、嫌な臭いや煙が発生しない点です。
デメリットとしては、熱をつかう工法と比べると密着層の硬化に時間がかかる点です。
トーチ工法
アスファルトで加工されたルーフィングシートを、トーチバーナーでアスファルトを炙りながら下地に接着させて防水層をつくる工法です。
メリットとしては、大掛かりな設備が必要ないので、住宅街の限られたスペースが限られた建物でも施工が可能です。
デメリットとしては、トーチバーナーで接着面を炙るため、臭いや煙が発生する点です。
また、付近に燃えやすい物がある場合は施工ができません。
熱工法
熱を加えて溶かしたアスファルトとルーフィングシートを重ねて防水層をつくる工法です。
メリットとしては、最も使用されていて施工不良も少なく、信頼性の高い工法です。
デメリットとしては、アスファルトを大きな窯で熱して溶かすので、臭いや煙が発生する点です。
また、液状のアスファルトを使用する工法なので、屋根全体の重量が増してしまいます。
耐用年数 | 15年~20年程度 |
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費用相場 | 10,000円~20,000円/㎡程度 |
陸屋根の雨漏りを防ぐためには?
陸屋根の雨漏りを防ぐためには、日頃から陸屋根の状態をご自身で点検しましょう。
陸屋根を定期的にメンテナンスをすることで、雨漏りの発生を防げます。
定期的にメンテナンスする方法をご紹介します。
排水口の掃除をする
陸屋根の排水口は雨水を集めるため、落ち葉やゴミなども一緒に流れてきやすいです。
落ち葉やゴミなどを放置し排水口が詰まると、雨水を排出することができなくなり、陸屋根に雨水が溜まってしまい雨漏りの原因となります。
定期的にゴミを取り除いたり、排水口や周辺の掃除を行いましょう。
防水層を点検する
陸屋根の防水層に劣化がないかチェックしましょう。
防水層の膨らみやひび割れ、シートの避けや穴が空いたりしていないか、植物の発生、表面の色褪せがないかを確認します。
防水層の劣化が見られたら、早めに補修することで雨漏りを防ぐことができます。
ご自身での判断が難しいようでしたら、業者に相談することをオススメします。
陸屋根の雨漏り修理に火災保険は利用できる?
陸屋根の雨漏りは、火災保険を利用して雨漏り修理をすることができれば費用を抑えることができます。
火災保険を使うには条件があるため、確認してみましょう。
陸屋根の雨漏り修理が保険対象になる条件
火災保険が対象になる主な条件は以下の3つです。
- 台風や落雷など自然災害による被害
- 被害から3年以内
- 修理費用が20万円以上
火災保険が対象外になるケースは、経年劣化・施工不良です。
素人では火災保険が適用されるかの判断は難しいため、被害を受けた際は早めに保険会社へ連絡するようにしましょう。
まとめ
陸屋根が雨漏りしやすい理由は屋根がフラットな形状のため、水はけが悪く雨水が溜まりやすくなる点があげられます。
陸屋根の雨漏りが起こる原因は主に、「排水口の詰まり」「防水層の劣化・破損」「パラペットの劣化や破損」です。
陸屋根に必要な防水工事の種類は、「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」「アスファルト防水」の4種類があります。
陸屋根の雨漏りを防ぐには、「排水口の掃除をする」「防水層を点検する」を定期的に行いましょう。
陸屋根の雨漏り修理にかかる費用は、雨漏り修理費用と防水工事費用があり2つの費用を合わせた金額になります。
陸屋根の雨漏り修理にかかる費用相場は、20~100万円程です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
船橋市と習志野市で防水工事を行っている習志野建装では無料相談を受け付けています。
陸屋根の雨漏りに関して、気になることや不安なことがございましたら是非一度お問い合わせください。
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